省エネ支援を強化 第8回アジア・クリーン・エネルギー・フォーラム開催

Video: Why Asia and the Pacific Need to Scale Up Energy Efficiency Investments

【マニラ、2013年6月26日】アジア開発銀行(ADB)などが主催する「アジア・クリーン・エネルギー・フォーラム」の第8回会合がマニラのADB本部で開催され1、ADBは、アジアにおける電力の需要増と温室効果ガスが及ぼす環境問題の双方に対処するため、エンドユーザー側の省エネ支援に力を入れる意向を示した。

ADBのロハニ副総裁(知識管理・持続的成長担当)は開会挨拶で、建物、車、機械、揚水ポンプ等のエネルギー効率を高めて節電に取り組むことは、消費者と環境の双方にとって極めて大きなポテンシャルがあるとし、「ADBとしては、官民連携を通じてデマンドサイドのエネルギー効率を向上するとともに、加盟途上各国のニーズに見合った政策提言や、技術協力、新しい形の資金支援などで主導的役割を果たしたい」と述べた。

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ADBは会合で、アジア途上国で急増する電力需要をテーマとする報告書(Same Energy, More Power: Accelerating Energy Efficiency in Asia)を発表2。それによると、世界の一次エネルギー消費に占めるアジアの割合は、2010年の34%から2035年には最大約56%に達する可能性があるとしている。一方、多くのアジア諸国では必要なエネルギー量に対する自国調達率が5割に満たず、燃料の大量輸入を余儀なくされかねない。

各国は、エネルギー効率を高めることで、発電所の新規建設数や燃料輸入コストを削減できれば、圧縮分を電力アクセス拡大3など他分野に振り向ける余地が広がる。エネルギー利用の効率性向上は、発電量を拡大するよりもコスト効果が高い。報告書は、アジア各国がエネルギー関連支出の約1~4%を省エネ投資に充てることで、2030年までにアジア途上国全体における一次エネルギー消費増大分の約4分の1を賄うことも可能としている。

ADBでは、再生エネルギーやエネルギー効率向上支援など、クリーンエネルギー関連の投資を拡大しており、同分野における2012年の融資総額は約23億ドルに達した。うちエネルギー効率向上には計9億7000万ドル強が投じられ、一般家庭や工場など、エンドユーザーを対象にした省エネ支援が大半を占めている。

エネルギー効率向上の取り組みが広がれば、アジアにおいて、持続的で価格的にも入手しやすく、信頼できる電力供給体制が可能になる。中国やインド、タイなどでは、電力需要増の問題をコストをかけずに解決するためエネルギー効率向上のイニシアチブを既に実施しており、ADBも支援に力を入れている。

今後の支援例として、公共建設物の省エネ改修工事、街灯・道路灯や電気メーター機器の交換が考えられる。ADBはまた、電力会社や国有企業に対し節電プログラムを奨励したり、製造現場における非効率な生産の段階的廃止を促すため、ファイナンシング・メカニズムを提供することにしている。

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1 米国際開発庁(USAID)などとの共催。詳細(英文)は、http://asiacleanenergyforum.org参照。
2 報告書(英文)は、http://www.adb.org/publications/energy-efficiency-asia-untapped-resource参照。
3 エネルギーへのアクセスがない域内人口は約6.3億人とされる。


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