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ADB、タイの太陽光発電所融資で 再生エネルギー目標を支援
【マニラ、2010年5月3日】アジア開発銀行(ADB)は、タイ中部における太陽光発電所建設(最大出力73mw)に融資を行うことを、理事会で承認した。同発電所は、太陽光を利用した発電施設としては世界最大級となる予定で、自国の再生エネルギーによる発電促進というタイの取り組みを支援するものである。
ADBからの支援を受けるのは、三菱商事、CLPホールディングス社(香港)、およびタイ初の独立発電事業者であるEGCO社が共同出資する、タイのナチュラル・エナジー・ディベロップメント社(NED)で、同社はタイ中部・ロッブリー県に当該発電所を建設する。ADBは通常資本財源から、7000万ドルを上限とする金額を、米ドルもしくはタイ・バーツ建てで同社に融資する予定。
タイでは電力消費量がすでに急増しているが、今後も需要は伸びるとされ、このままでは同国の二酸化炭素排出量も増加するとみられる。また、現在タイ全体が排出する地球温暖化ガスの半分以上が、エネルギー消費に因るものとなっている。
一方電源については、全発電量の約9割を天然ガス、石炭、および褐炭に拠っている。タイ政府は電源を多様化し、再生エネルギー活用を促進するため、「代替エネルギー開発計画」(AEDP)を策定、2022年までに、一次商用電源の20.4%相当を再生エネルギーによる発電とすることを目指している。そのためには、1,750mwにとどまっている現在の再生エネルギーの発電能力を5,608mwまで大きく引き上げなければならない。
ADBの民間部門業務局(PSOD)の山縣やまがた丞じょう・副局長は、「タイは全国的に豊富な太陽エネルギーに恵まれており、商工業や一般家庭用で増大する電力需要を満たす上でのポテンシャルはきわめて大きい。投資家の皆様方に対しては、太陽発電プロジェクトへの投資がカーボンクレジットのように適切なファイナンシングを行うことにより実現することを、本案件が示してくれるのではないか」としている。
発電所の完成時には、ネットで55mw分をタイ最大の発・送電企業であるEGAT(タイ国電力公社)が買い取ることを表明しているほか、NEDは、ADBのカーボン・マーケット・イニシアチブ(CMI)制度を活用し、排出量削減の認証に対する先行融資を受ける方向でADBとの協議に入っている。
ADB民間部門業務局のダニエル・ヴィードマー投資専門官は、「太陽光や風力といった再生エネルギー案件は、初期投資コストがかかるほか売電収入が断続的であるため、10年等の売電料金助成期間を超える長期融資を行うことによって、財務的実現性が大幅に高まる」としている。
ADBでは上記融資に加え、クリーン・エネルギー投資パートナーシップ・ファシリティ(CEFPF)を財源とする200万ドルを無償支援する。この無償支援は、これまで小規模な発電施設にしか採用されなかった最新の高度薄型フィルムを太陽電池として大量に導入することに伴って生じるコンティンジェンシーコストに充当される。
この最新型薄型フィルムは、他の太陽電池よりも安価な薄型半導体を利用して開発されたもので、タイのように、年平均気温は高いが、太陽光線が雲によって拡散されて地上に届く気候下での利用に適しているとされる。