南アジア経済に対する気候変動の影響を試算

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【マニラ、2014年8月19日】アジア開発銀行(ADB)はこのほど、南アジアの6カ国(バングラデシュ、ブータン、インド、モルジブ、ネパール、スリランカ)を対象に、気候変動がもたらす影響とその予防策を経済的観点から分析した報告書『南アジアにおける気候変動と適応のコスト評価』(Assessing the Costs of Climate Change and Adaptation in South Asia)を発表し、化石燃料に依存した現在のような成長を続けた場合、これら6カ国の経済が2050年までに受けるマイナスの影響は年率1.8%で、同数値は2100年までに年率マイナス8.8%に達しうるとの見方を明らかにした。

6カ国のうち、経済への打撃が最も高いのはモルジブとネパールで、それぞれ最大で年率マイナス12.6%と9.9%だった(2100年まで)。バングラデシュはマイナス9.4%、インド8.7%、ブータンが6.6%、スリランカは6.5%だった。金額的には、少なくとも年間730億ドルを、気候変動への適応に投じなければならなくなる(いずれも世界の平均気温が4.6℃上昇した場合)。

一方、世界の各国が協力して平均気温の上昇を2℃以内に抑えることができた場合(コペンハーゲン・カンクン合意に基づく)、南アジア経済が被る経済的影響は、2050年で年率マイナス1.3%、2100年で年率マイナス2.5%となり、適応コストも約406億ドルに減少する。

気温の上昇は、一部の国でコメなどの収穫高をもたらすものの、全体ではマイナスの影響を及ぼす。また、海水面が1メートル上昇すると9,500万人の人々が影響を受け、高潮の際には更に一億人の人々が影響を受けるとみられる。降雨量が減少すると、発電や水の供給が不足したり、デング熱などの病気が増える可能性もある。

ADBのビンドゥー・ロハニ副総裁(知識管理・持続的開発担当)は、南アジア経済は深刻な脅威にさらされており、山岳地帯やデルタ地帯、そして島に暮らす多くの人々の命や暮らしがぎりぎりの状態に置かれているとした上で、各国は海水面上昇や断水、洪水などの問題に、個別にまた協力して取り組むべきと述べている。

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