年次総会でセミナー開催、 アジアに対する世界経済の影響と対策につき討論

【マニラ、2012年5月3日】アジア開発銀行(ADB)は、マニラで開催中の第45回年次総会の一環として、世界経済とアジアの関係をテーマとするセミナー 1を実施した(写真)。セミナーには、ADBの黒田東彦(はるひこ)総裁、総会開催国フィリピンのセサール・V・プリシマ財務長官のほか、東京大学の伊藤隆敏教授、米コロンビア大学のジェフリー・サックス教授、日本の中尾武彦財務官、中国の李勇財務次官らがパネリストとして議論を交わし、関連の報告書も発表された。

討議では、アジア途上国は世界経済危機の再発に備えてファイアウォール(防火壁)を築く必要がある一方、経済の変換を目指して進められている長期的構造改革の方向性を変えるべきではないといった見解が示された。

セミナーで発表された報告書「How Can Asia Respond to Global Economic Crisis and Transformation」 2は、世界経済とアジア経済について、世界金融危機が再燃して外需が落ち込んでもアジアはその影響をしのげるが、先進国で長引く経済変化が常態化するなか、アジアもそうした変化にあわせて成長モデルを見直すべきであるとし、アジアが経済繁栄を長期に持続させるには、域内の需要喚起と、中南米やアフリカといった他地域との関係強化が重要と分析している。

報告書はまた、アジア各国にとって最大の課題は、為替や内需といった足元の課題に政策対応しながら、世界の成長エンジンであるアジア経済の変換をいかにうまく進めるかであるとし、特に、拡大傾向にある貧富の格差が、アジアの成長と安定にとっていずれ脅威となりうると指摘。成長の恩恵が人々に届くようにするためには、人材育成や社会サービスへの投資促進が必要であるともしている。


1同セミナー詳細は、http://www.adb.org/annual-meeting/2012/kspe/governors-seminar-how-can-asia-respond-global-economic-crisis-and-transformation
2照。 同報告書は、http://www.adb.org/sites/default/files/pub/2012/how-can-asia-respond.pdf参照。
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