アジアのPPP(官民連携)実施環境を比較調査

【マニラ、2012年5月30日】アジア開発銀行(ADB)は30日、域内におけるPPP(官民連携)に関する調査報告書「The 2011 Infrascope」を発表1、アジア・太平洋地域では過去10年でPPPが広まったものの、こうした流れを促進するには、実効性のある公的規制機関のほか、強い政治的意思が必要な場合もあるとの見方を示した。

報告書は域内の途上国2を対象に、持続的な長期PPPを実施する上でどこまで環境整備が進んでいるかを、先進国である英国、豪州、日本、韓国との対比を用いて比較検証した。

その結果、PPP実施に必要な体制や規制の枠組みが整っていることなどから、上記先進国とインドが総合で上位にランクインした3(2011年時点)。中国は、体制や規制面が比較的未整備であるにもかかわらず日本に次いで上位に入ったが、その理由として、2000年から2009年までの実施件数が614件に上っており、地方政府がPPP実施に積極的であることや、巨大インフラ市場が誘引になっていることなどが挙げられている。

これに対し、ベトナム、モンゴル、パプアニューギニアは、経験不足や体制の未整備が原因で、下位にとどまった。パキスタン、バングラディシュ、カザフスタン、タイ、インドネシア、フィリピンで関連法などの整備が進んでいることも明らかとなった。

一方報告書は、各国が環境整備に向けたとりくみを継続する必要性を指摘。特に、策定や実施に伴う複雑な問題への組織的な対応能力をパブリック・セクターにおいて育成することが、PPPを長期的に成功させるカギであるとしている。ADB側担当である地域・持続的開発局(RSDD)のウーチョン・ウム副局長は、報告書が各国にとって、PPP環境強化における重点分野特定の参考になればとしている。

同書(英文)は、ADBのウェブサイト(http://www.adb.org/publications/evaluating-environment-public-private-partnerships-asia-pacific-2011-infrascope)からダウンロードできる。

【抄訳・本リリースの英原文はこちら


1 ADBからの委託を受け、英エコノミスト誌のリサーチ部門であるEIUが作成した。
2 インドのグジャラート州を含む。
3 インドは、強い政治的意思とPPPに関する対応能力の高まりを背景に、総合で日本より上位に入った。報告書は日本について、PPPに関するファンダメンタルズは強いが、政治的意思、および概念としてのPPPの浸透度が低いと分析し、改正法が大規模案件に適用されれば、日本のポイントは大幅に上がるだろうとしている。


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