フィリピン、マニラ(2020年10月29日)-アジア開発銀行(ADB)は、ミャンマーのバゴー地方の首都とモン州チャイトーを結ぶ全長64 キロメートルの高速道路の建設およびメコン河流域圏(GMS)の東西経済回廊の経済開発支援に4億8,380万ドルの融資を承認した。
伊達志日流ADB上級交通・運輸専門官は、「第2次GMS高速道路近代化プロジェクトは、ミャンマー政府による気候変動に強靭な4車線化された道路建設とともに、GMS経済回廊を行き交う物資や人々のより効率的で安全な移動の確保を支援するものである」とした上で、「このプロジェクトは、ミャンマーとタイなどのGMS諸国との連結性を強化し、貿易や観光、投資、さらには気候変動への強靭性や環境の持続可能性の促進を後押しする」と述べた。
ミャンマー政府は、交通インフラ投資を対GDP比で2005年から2018年までの平均1%に対し、2030年までには3%に引き上げることを目指している。
さらにこのプロジェクトは、ミャンマー建設省の主要有料道路を管理する能力、そして環境社会セーフガードを実施する能力を向上させる。その一環として、バゴー~チャイトー区間の住民を対象とした、新たなコミュニティー参加型の道路交通安全プログラムも実施される。
高速道路には、シッタン川にかかる全長2.3キロメートルの橋梁も含まれる。新シッタン橋の建設には、国際協力機構(JICA)が277億8,000万円(約2億5,480万ドル)を融資する。
交通運輸は、2012年以降、ADBのミャンマーに対する主要支援分野であり、GMS経済回廊や都市と農村の接続強化などに重点が置かれている。
ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。