90億ドルのADBのファシリティを通じて、開発途上加盟国が新型コロナウイルスワクチンを調達・提供できるよう支援

News Release | 2020年12月11日

フィリピン、マニラ(2020年12月11日) - アジア開発銀行(ADB)は、ADB の開発途上加盟国が効果的かつ安全な新型コロナウィルスワクチンを迅速で公平な方法で調達・提供できるよう支援するため、アジア太平洋ワクチンアクセスファシリティ(APVAX)と呼ばれる90億ドルのワクチンイニシアティブを発表した。

浅川雅嗣ADB総裁は、「ADBの開発途上加盟国は、その国民に対して、可能な限り早期にワクチン接種をできるよう準備を進めており、ワクチン調達のための資金や、安全かつ公平で効率的なワクチンの利用プロセスを管理するための適切な計画および知識を必要としている」とした上で、「APVAXによる支援は、開発途上加盟国がこれら課題に対処し、パンデミックを克服するとともに、経済回復に向けた取り組みに注力していく上で、重要な役割を果たす」と述べた。

アジア・太平洋地域では、1,430万件以上の陽性者が確認されており、20万人以上が死に至っている。長引くパンデミックにより、アジアの開発途上国における 2020 年の経済成長はマイナス 0.4%にとどまると予測されており、これは同地域において、1960年代初頭以来、初めての国内総生産の縮小となる。

安全かつ公平で、有効なワクチンの利用を確保することは、ADBの新型コロナウイルスへの対応の中で最優先事項に位置付けられている。ワクチン接種プログラムは、ウイルス感染の連鎖を断ち切り、人命を救い、安心感や信頼感を回復させ、職場や旅行、社会活動への復帰を促すとともに、パンデミックの経済的影響を緩和させる。

APVAXは、2つの補完的な柱を用いて、アジアの開発途上国のワクチンアクセスを支援するための包括的な枠組みとリソースを提供する。迅速な財政支援に係る柱では、ワクチン摂取による診断検査やワクチンの調達および購入先からADBの開発途上加盟国への輸送などにおける時宜を得た支援を提供する。

プロジェクト向け投資に係る柱では、ワクチンの円滑な流通と適切な使用、そして管理のためのシステムの構築に向けた投資とともに、能力構築や地域への働きかけ、調査監視に関連する投資を支援する。これには、低温貯蔵・輸送網、車両、流通インフラ、加工施設、その他の設備投資などの分野を含む。このコンポーネントではまた、開発途上加盟国におけるワクチン製造能力の開発や向上を支援する。

ADBのワクチン支援は、世界銀行グループ、世界保健機関(WHO)、新型コロナウイルス感染症ワクチンの国際的共同購入枠組み(COVAXファシリティ)、GAVIアライアンス、そして二国間および多国間のパートナー等、他の開発パートナーとの緊密な調整により提供される。

APVAXは公平な形で供与される安全で効果的なワクチンを奨励する。ワクチンが支援の対象となるためには、三つの基準のうちいずれか一つを満たさなければならない。すなわちワクチンはCOVAXを通じて調達されるか、WHOによる事前認定を受けている、あるいは厳格な規制当局により認可されている必要がある。また、ワクチンに関するニーズアセスメントや開発途上加盟国によるワクチン配分計画、そして開発パートナーとの効果的な協力メカニズムなどの追加的なアクセス条件は、APVAXの下でのワクチン支援の適正かつ効果的な実施に貢献する。

ADBはまた、ワクチン輸入ファシリティに5億ドルを提供し、安全で効果的なワクチンの供給と接種に必要な機材を確保しようとする開発途上加盟国の取り組みを支援する。このファシリティは、ADBの貿易・サプライチェーン金融プログラムの一部である。このプログラムのワクチン輸入ファシリティを通じてトリプルAの保証が付与されることにより、支払いリスクが軽減され、こうした機材の輸入が促進される。ここではワクチンについてCOVAXと同じ適格性基準が適用される。民間セクターのパートナーとの協調融資により、この輸入ファシリティを通じて、1年以内にワクチンおよびそれに関連する輸入に対して10億ドルの支援が期待される。

ADBは4月に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に対応する開発途上加盟国を支援するために200億ドルの支援パッケージを承認するとともに、より迅速で柔軟な支援を提供するために手続きを合理化した。ADBはこれまでに融資、グラント、技術協力で149億ドルの資金提供に合意しており、その中には新型コロナウイルスパンデミックに迅速に対応するための景気対策財政支援プログラムローン(CPRO)と民間セクター支援のための99億ドルが含まれる。

11月にADBは、アジア・太平洋地域において効率的かつ公平なワクチンの提供を可能とするシステム構築のために、2,030万ドルの追加的な技術協力を提供することを発表した。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。