フィリピン・マニラ(2020年2月25日)-アジア開発銀行(ADB)は本日、中国においてジョインタウン・ファーマスーティカル・ グループ(九州通医薬集団股分有限公司)への1億3千万人民元(1,860万ドル)を上限とする民間部門融資契約に調印した。
この現地通貨建て融資により、必要な医薬品や防護服、手袋、ゴーグル、フェイスマスク、防護マスクなどの個人用防護具を継続的に供給するためのジョインタウンの取り組みを支援する。この融資はまた、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対応する赤十字の取り組みへのジョインタウンによる協力を支援する。ジョインタウンは中国最大の民間医薬品卸売業者で、湖北省の首都で新型コロナウイルスの感染源となった武漢市に本社を置く。
ジョインタウン副会長の刘兆年(Liu Zhaonian)氏は、「新型コロナウイルス感染拡大への対応の最前線にいる我々ジョインタウンへのADBによる時宜を得た支援に感謝したい」とした上で、「ADBの支援を得て、我々は最も深刻な影響を受けている地域に、医薬品や緊急に必要とされる個人用防護具を届けることができる」と述べた。
ADB民間部門業務局のマイケル・バロー局長は、「この融資により、ジョインタウンが病院や小売薬局に支給するために十分な医療品や抗ウイルス薬、そして個人防護具を確保することを支援する」と述べ、「アウトブレイクの中心地の支援に焦点を絞ることにより、感染拡大を食い止める上でのジョインタウンの重要な役割に意義のある貢献を果たす」と語った。
ジョインタウンは、新型コロナウイルスの感染拡大に際して、湖北省政府の要請により医薬・医療品の調達と供給にあたっている。武漢市にあるジョインタウンの物流倉庫は、そうした施設としては中国最大である。先端のITシステムを備えており、新型ウイルスの感染拡大により医療品のニーズが大幅に増加したとしても、ジョインタウンがその効率性やサービス水準を維持することが可能である。物流倉庫や在庫管理分野での経験により、ジョインタウンは武漢市および湖北省の中国赤十字会より、支援物資の分類、保管、管理についての支援を要請された。
この融資は、保健医療の安全保障をサポートするADB初の民間部門支援であり、少額のノンソブリン支援向けの簡素化された案件承認プロセスにより、速やかに承認された。2年間にわたるこの融資は、中国の金融機関によりジョインタウンに対してすでに供与されている融資を補完することとなる。これは新型コロナウイルスの感染拡大に対応するADBの幅広い取り組みの一部であり、アジア・太平洋地域の数か国における対応能力の強化を目的として、2月7日に承認した200万ドルの資金援助に続くものである。