ベトナム、ハノイ(2020年11月17日)-アジア開発銀行(ADB)とビンズオン上下水道・環境社(BIWASE:Binh Duong Water Environment Joint Stock Company)は、ベトナムで急速に開発が進む省の一つであるビンズオン省のタンヒエップ浄水場の拡張整備に向けて、800万ドルの融資契約に調印した。この事業により、水の生産能力が向上するとともに、取水ポンプの増設やドンナイ川取水施設からの原水輸送管の設置が行われる。

この拡張事業により、ビンズオン省のビンズオン新都市やトゥーザウモット市、そしてベンキャト町やタンウエン町の住民や法人顧客の増大する水需要に対応する。ビンズオン省の工業地域では、130万近い地元住民と50万以上の外国人が働いている。この融資パッケージは、国際協力機構(JICA)からのパラレル・ローンによる800万ドルの協調融資などで構成される。

さらに50万ドルの技術協力が、ADBの開発途上加盟国の開発目標の達成に向けて、経験、情報および知識の構築や共有を通じた支援を行うために、韓国が2006年に設立した「e-アジア・知識パートナーシップ基金」によって提供される。

ADB民間部門業務局で東南アジア・東アジア・太平洋地域をカバーする、ジャッキー・B・スルタニ・インフラストラクチャー・ファイナンス担当課長は、「この融資は、急速な成長を遂げるビンズオン省において、持続可能で効率的な水の供給を実現するとともに、将来の成長とより幅広い経済活動への貢献を促すものである」とした上で、「これは、国際的な投資家に対して、ベトナムの水セクターへの民間セクターによる商業的投融資が、堅実で魅力的であるということを示す力強い実例である。我々はまた、ベトナムの水セクターの発展を支援するこの事業において、JICAと協働できることをとても嬉しく思う」と述べた。

BIWASE社のグエン・ヴァン・ティエン会長は、「2002年にADBによる第3次地方都市水供給・衛生プロジェクトに参加して以来築き上げてきた、ADBとの長年にわたる協力関係を我々はとても大切にしている」とした上で、「我々が、これまでの公的資金の活用から民間資金の単独での活用へと移行することを可能にするために、ワンストップでの解決策を提供してくれるADBによる支援は、未来に向けた我々の成長の歩みを後押しするものである。ベトナムの水セクターにおけるADBの変わらぬ支援に感謝するとともに、今後の更なる協働に期待を寄せている」と述べた。

技術協力を通じて、BIWASE社の財務管理ならびに気候変動に強靭な事業運営の計画づくりに係る能力構築支援が提供される。また、事業運営に係るBIWASE社とビンズオン省人民委員会との法的基盤も強化される。ADBは1993年以来、水セクター投資プログラムを含む7つのソブリン融資を通じて、ベトナムの水関連セクターの支援を行ってきた。

BIWASE社は1975年に国営企業として設立され、2016年の民営化を経て、2017年にホーチミン証券取引所に上場された。現在、BIWASE社は1日あたり311,300立方メートルの水の生産能力があり、ビンズオン省の人口の78%にサービスを提供している。BISEWA社はまた、同省における唯一の廃棄物処理および下水処理・衛生サービス事業者である。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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