【横浜、2017年5月5日】アジア開発銀行(ADB)は、カナダ政府と連携し、ジェンダーの平等を改善しながら、気候変動緩和および適応関連取り組みへの民間セクターの参加拡大を支援するための新たな信託基金を設立した。

この合意は本日、横浜で開催されているADB年次総会に合わせ、ADBの中尾武彦総裁とカナダのセリーナ・セザル=シャヴァンヌ国際開発大臣政務官により発表された。

「アジア民間セクターのためのカナダ気候基金II(CFPS II)」と称されたこの基金では、カナダ政府が2億加ドル(1.51億ドル)を拠出し、気候変動緩和および適応に焦点を当てたADBの民間セクター・プロジェクトに協調融資を行う。この基金は、女性および少女のエンパワーメントを促進する気候関連プロジェクトを対象とする。ADBは、プロジェクトの選定と承認を含む、基金の運営および管理をカナダ政府に代わって実施する。

中尾氏は、「ADBは、アジア太平洋地域がCO2の排出を削減し、気候変動への耐性を高めることを支援する本基金の設立とカナダ政府のイニシアチブを歓迎する」としたうえで、「本基金は、気候変動に対応し、女性と少女のためにジェンダーの平等を促進する民間セクターのプロジェクトに対し、ADBが効果的な支援を提供するのに貢献する」と語った。

この基金は、ADBの低所得および低中所得の開発途上加盟国におけるプロジェクトに対し協調融資を行う。民間セクターのスポンサー、商業銀行、そしてADBやその他の金融機関による追加融資により、さらに6億ドルを動員することが期待される。

この基金は、同じくアジア太平洋地域における民間セクターの気候変動関連活動への協調融資を行う、2013年3月に設立された8,150万ドルの「アジア民間セクターのためのカナダ気候基金(CFPS)」の成功に続くものである。CFPSは、ブータン、ジョージア、インドネシア、およびミャンマーにおけるADBの気候変動緩和および適応プロジェクトに貢献してきた。CFPS IIは、開発途上国が気候耐性を備えた低炭素経済へ移行することを支援するために20億ドルを拠出するというカナダ政府の公約の一環である。

マニラに本拠を置くアジア開発銀行(ADB、加盟国・地域数67、うち域内48)は、インクルーシブな経済成長、環境に調和した持続可能な成長、及び地域統合の促進を通じて、アジア太平洋地域の貧困削減に取り組んでいる。ADBは、1966年に創設され、地域の開発パートナーとして50周年を迎えた。2016年のADBの年間支援額は、協調融資額140億ドルを含め、317億ドルであった。

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