シンガポール(2020年9月17日)-アジア開発銀行(ADB)は、クリフォード・キャピタル・ホールディングス(CCH:Clifford Capital Holdings Pte. Ltd.)と9,500万ドルを上限とする出資契約を締結した。CCHは、シンガポールを拠点とし、インフラやその他実物資産に関してグローバルに専門的な資金の供給や流通プラットフォームを提供する。ADBの出資は、アジアの開発途上国における持続可能なインフラ・ファイナンスなど、CCHの将来的な成長計画を支援するものである。

この契約は、ADBからの5,000万ドルの出資とADBが管理するアジアインフラパートナーシップ信託基金(LEAP: Leading Asia's Private Sector Infrastructure Fund)からの4,500万ドルの出資で構成されている。2020年3月にADBのシンガポール事務所が開設されて以来、ADBとしては初のシンガポール事業体への出資となる。ADBは、契約締結後、6.3%のCCHの株式を保有することとなり、コミットされた全ての株式が配分された後には10.8%の株式を保有する見込みである。

ADB民間部門業務局のマイケル・バロー局長は、「アジア・太平洋地域の開発途上国の成長を維持し、貧困問題や気候変動に対処するためのインフラに対する資金ニーズは、2030年までに年間1兆7,000億ドルにも上る。CCHは、この未開拓の市場に対して、機関投資家から長期的に資本を呼び込むための独自の態勢を築いている」とした上で、「主要な国際開発金融機関として、ADBがCCHおよびその子会社の次なる成長に向けた支援に携われることを喜ばしく思う」と述べた。

クライブ・カーナーCCH最高経営責任者は、「ADB を新たに戦略的株主として迎え入れ、LEAP との提携が実現したことを光栄に思う。ADBは、アジアのインフラにおける大きな資金不足に対処するための革新的な金融ソリューションを提供する我々の使命を全面的に支持している。ADBがアジアで担う重要な役割と持続可能なインフラ開発支援における経験により、当社の既存の株主を補完するまさに適切なパートナーシップがここに確立され、新たな成長機会をつかむと共に、持続的な価値と長期的な利益を生み出すことを確信している」と述べた。

アジアのインフラ投資の多くは公的部門によって資金手当てされているが、同地域のインフラのための資金需要を満たすには十分ではない。また各国政府が、新型コロナウイルス対策により多くの公的資金を充てる中、インフラファイナンスの不足を補うために、民間資金への依存がより高まることが想定される。CCHは、証券化を通じた金融イノベーションの推進に重点を置いており、こうした資金調達ニーズへの対応を助けることができる。革新的で競争力のある金融ソリューションを通じて、CCHは、アジア・太平洋地域における総合的なサービスを提供するインフラ金融のハブとして、シンガポールがその地位を確立する力となる。

CCHはその関連会社と共に、総合的な代替投資プラットフォームとして、実物資産セクターにおけるオリジネーション、流通および投資管理業務を提供しており、財務持続性や商業ベースに基づき運営されている。CCHは、インフラ、海運、その他実物資産のセクターにおけるシンガポールの経済成長イニシアティブと密接に連携しながら、アジアの大きなインフラ資金不足の解消に向けて貢献することを目指している。

LEAPは、国際協力機構(JICA)が15億ドルを出資して2016年に設立された。LEAPは、ADBの開発途上加盟国における質の高い、持続可能な民間セクターのインフラ事業の実施を支援しており、支援対象分野は二酸化炭素の排出削減、省エネルギー、適度な負担での医療や教育、情報通信サービスの提供など多岐にわたる。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

Media Contact