【横浜、2017年5月5日】アジア開発銀行(ADB)が本日発表した報告書によると、ADBの2016年の協調融資業務は過去最高額に達し、140億ドルを上回った。同報告書はこれを、アジア太平洋地域の拡大し続ける開発ニーズに対応するパートナーシップの重要性を反映したものであるとしている。

この報告書『ドナー・レポート2016』(Partnering for Development: Donor Report 2016)によると、ADBは昨年、協調融資で140.6億ドルを動員し、年間業務総額も317億ドルと、ADBの50年の歴史における最高額に達した。

全協調融資額のうち84.6億ドルが公的融資などの譲許的資金源から動員され、2015年比で37%増となる。一方、民間資金源からの協調融資は56億ドルに達した。

ADB協調融資業務部のカイ・プローグシュット(Kai Preugschat)部長は、「2016年の業務パフォーマンスは、ADBが二国間および多国間機関、信託基金、その他の公的機関や財団との強いパートナーシップを維持していることを示す」と語った。

同報告書には、フランス開発庁(Agence Française de Développement)、ユーラシア開発銀行(Eurasian Development Bank)、および石油輸出国機構国際開発基金(OPEC Fund for International Development)との協調融資契約の更新など、2016 年における重要なパートナーシップの成果も記されている。これらの連携により、今後数年間で31億ドルの追加協調融資が見込まれる。

ADBは2016年に新たなパートナーと協働し、中華人民共和国のエネルギープロジェクトにおいては北京銀行と、キルギス共和国の交通プロジェクトにおいてはサウジ開発基金(Saudi Fund for Development)と協調融資契約を締結した。

また同報告書によると、昨年ADBは新たな信託基金を2つ設立した。まず、国際協力機構(JICA)と共同で、民間によるアジア太平洋地域のインフラ投資を支援する「アジアインフラパートナーシップ信託基金」(Leading Asia’s Private Infrastructure Fund)を設立した。同信託基金は、JICAが出資する15億ドルの資本金により、60億ドルの投資を動員すると見込まれる。さらに、東南アジア諸国でのプロジェクトの準備態勢を改善し、気候変動に強いプロジェクトを開発する、マルチドナーによる「プロジェクト・レディネス・インプルーブメント信託基金」(Project Readiness Improvement Trust Fund: PRIF)を設立した。PRIFへの最初のドナーとして、北欧開発基金が700万ユーロ(766万ドル)を拠出している。

プローグシュット氏は、「ADBが持続可能な開発目標の実現および気候変動に対する取り組みに備えるなかで、融資パートナーによる新たなコミットメントと追加資金が、ADBの業務をスケールアップするために極めて重要である」としたうえで、「ADBは、パートナーの変わらぬ支援に感謝している」と述べた。

また同報告書では、協調融資プロジェクトの成功事例や成果の紹介を通じて、開発途上加盟国と融資パートナーの両方に対するアカウンタビリティ(説明責任)の強化に向けたADBの取り組みを示している。

マニラに本拠を置くアジア開発銀行(ADB、加盟国・地域数67、うち域内48)は、インクルーシブな経済成長、環境に調和した持続可能な成長、及び地域統合の促進を通じて、アジア太平洋地域の貧困削減に取り組んでいる。ADBは、1966年に創設され、地域の開発パートナーとして50周年を迎えた。

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