フィリピン、マニラ(2024年1月31日)—アジア開発銀行(ADB)は2023年に、アジア・太平洋地域の開発途上加盟国が温室効果ガスの排出量を削減し、地球温暖化の影響に適応できるよう支援するため、過去最高額となる気候資金を承認した。

ADBは昨年、独自財源から、気候緩和策に55億ドル、気候適応策に43億ドル、総額98億ドルの気候資金を承認した。これは2022年の気候資金の承認額に比べて46%以上の増加である。

2023年の気候適応資金の承認により、ADBは2019年から2023年までの間に、累計104億ドル以上を適応策に提供した。この結果、2019年から2024年までの90億ドルの目標額を1年早く達成した。アジア・太平洋地域では、猛暑、干ばつ、豪雨による被害が頻繁に発生し、適応策のための資金調達が極めて重要である。しかし、現在の気候適応への投資は必要な額に比べて極めて僅かである。

浅川雅嗣ADB総裁は、「気候変動は開発の未来を全面的に脅かしている。2023年は観測史上最も暑い年となり、この地域では異常気象の致命的な影響が広範囲に及んだ」とした上で、「この危機はエネルギーと食料の安全保障を脅かし、財政上の課題を引き起こす。ADBは、アジア・太平洋地域の気候バンクとして、開発途上加盟国の経済の脱化石燃料化、気候変動の移行の道のりに沿った前進、およびネットゼロ目標の達成を支援することに深くコミットしている。私たちは共に速やかに大胆な行動をおこさねばならない」と述べた。

アジア・太平洋地域は、世界全体の二酸化炭素排出量の半分以上を排出しつつも、気候変動の影響に対して極めて脆弱な状態にある。2050年までにアジア・太平洋地域がネットゼロ目標を達成するには、エネルギーと輸送アセットだけでも年間推定3兆1,000億ドルの投資が不可欠であり、これは、現在の水準よりも約50%増加する必要がある。

アジア・太平洋地域の気候バンクとして、ADBは、2019年から2030年までの間に、1,000億ドルの気候資金を独自財源から提供することを目標としている。2022年、ADBは気候緩和資金40億ドルと気候適応資金27億ドルを、合計67億ドルの気候資金を独自財源から提供した。

ADBの2023年の主要な気候プロジェクトには、バングラデシュの国家適応計画を実施し、気候変動に焦点を当てた開発を促進するための4億ドルの政策連動型融資や、フィリピン初の大規模電動バスシステムをダバオ市に導入するための10億ドルの融資、更にはミクロネシア連邦における上下水道をはじめとした基礎衛生サービスの強靭化、包摂性、持続可能性を高めるためのアジア開発基金(ADF)からの1,800万ドルのグラント(無償資金)が含まれている。ADFは、ADBの低所得開発途上加盟国向けに、貧困削減と生活の質向上を促進するために無償資金を提供している。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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