バングラデシュ、ダッカ(2020年7月31日)- アジア開発銀行(ADB)は、バングラデシュにおける、718メガワット(MW)のガス複合火力発電所の建設および運営のため、リライアンス・バングラデシュLNG&パワー社(RBLPL)と2億ドルの融資契約に署名した。本プロジェクトは、同国の電力不足を緩和するとともに、民間部門による電力セクターへの投資をさらに促進させる。
この支援は、ADBからの1億ドルの融資と、国際協力機構(JICA)が出資し、ADBが管理するアジアインフラパートナーシップ信託基金(LEAP)からの1億ドルの融資で構成される。融資契約は、ADB民間部門業務局の南アジア・中央アジア・西アジアをカバーするインフラストラクチャー・ファイナンス担当課長のShantanu ChakrabortyとRBLPLのRanjan Lohar最高経営責任者によって署名された。本プロジェクトには、国際協力銀行と4つの民間金融機関が協調融資をしており、日本貿易保険(NEXI)が民間金融機関に対して保険を供与する。
Chakraborty課長は、「このエネルギー効率の高いプロジェクトは、バングラデシュの電力需要と供給の格差に対応すると同時に、同国の継続的な産業と経済の発展に不可欠である」とした上で、「ADBは、必要不可欠な民間資金を動員し、環境や社会基準にベストプラクティスを取り入れること、そしてまた、投資家や貸し手の信用を高めることによって、将来的にバングラデシュにおける同様の大規模プロジェクトに対して資金が提供される先例を確立することに貢献してきた」と述べた。
Lohar最高経営責任者は、「RBLPLは、バングラデシュのこの発電所プロジェクトのためにADBをはじめとする国際開発金融機関の支援を得られることを光栄に思う」とし、「RBLPLは、本プロジェクトを通じて、バングラデシュの力強い経済成長の実現に貢献したい」と述べた。
バングラデシュでは、過去10年間に設置された新たな発電設備により、その発電容量が大幅に増加したものの、国内の電力供給は電力需要に対して未だ追いついていない。バングラデシュ政府はその不足を埋めるため、発電事業へのさらなる民間セクターによる投資を促進していく。この新たな発電所は、ダッカの南東に位置するメグナ川のほとりに建設され、これにより、同国の発電能力が約4%向上するとともに、電力の輸入や石炭、石油など環境負荷が高く、高価な燃料の使用を減らすことができる。ADBは本プロジェクトの初期段階から主要な金融機関として参画している。
LEAPは、JICAが15億ドルを出資し、2016年に設立された。ADBの開発途上加盟国における質の高い、持続可能な民間セクターのインフラ事業の実施を支援しており、支援対象分野は二酸化炭素の排出削減、省エネルギー、適度な負担での医療や教育、情報通信サービスの提供など多岐にわたる。
ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。