フィリピン・マニラ(2022年6月14日) - 本日発行された『パートナーシップ・レポート2021:環境に優しくインクルーシブで強靭な復興に向けたパートナーシップ』によると、2021年にアジア開発銀行(ADB)のファイナンス・パートナーは、新型コロナウイルスとの闘いも2年目となった開発途上加盟国へのADBによる支援に対して、129億ドルの協調融資を行った。
ウーチョン・ウムADB事務総局長は、「2021年にADBが行った支援は、各国およびそのコミュニティが新型コロナウイルスによる嵐を乗り越える上で非常に重要なものであった」とした上で、「我々は、パートナーシップを通じて強固な協力関係を築くとともに、知識に基づく解決策を推進し、開発途上加盟国のための資金提供を拡大する。現在は、環境に優しく、強靭でインクルーシブな復興のための基盤を築くことにますます焦点が当てられている」と述べた。
パートナーからの融資総額の69%に相当する約89億ドルが、新型コロナウイルスパンデミックへの対応と復興支援に充てられた。残りの40億ドルは、成長目標の実現、そして、農家や企業、女性のための、また保健、交通運輸といったセクターにおける雇用創出を支援した。
2021年には、多数の民間セクターパートナー、11の二国間パートナー、および11の多国間パートナーが、ADBと協調して、135件のソブリンプロジェクトと52件のノンソブリンプロジェクトに対して融資を行った。
ソブリンプロジェクトへの協調融資は50億ドルに達し、そのうち27億ドルは多国間パートナーから、21億ドルは二国間パートナーから提供された。残りは、グローバルファンドや慈善団体、民間団体から集められた。
ノンソブリン事業への協調融資は、民間セクターのプロジェクトや技術協力、助言業務などを行うトランザクション・アドバイザリー・サービス、貿易金融やサプライチェーン・ファイナンス、マイクロファイナンスなどのプログラムから構成され、2021年には過去最高の80億ドルに達した。貿易金融が2020年の29億ドルから、2021年には54億ドルに増加し、この金額を押し上げた。
完全デジタル版のパートナーシップ・レポート2021には、プロジェクトのストーリーやビデオ、ADBが管理する信託基金に関する最新情報、また、協調融資に関するさまざまなデータをまとめたダッシュボードなどが含まれている。
ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。