タイ、バンコク(2019年11月18日)アジア開発銀行(ADB)とGulf PD Company Limited(ガルフPD)は本日、バンコクの南東約150キロに位置するタイのラヨーン県、ロジャナラヨーン第2工業団地における、2,500メガワット(MW)の複合サイクルガスタービン発電所の建設や運営に係る1億8,000万ドルの契約を締結した。

ガルフPDは、Gulf Energy Development Public Company Limited(GED社)と三井物産株式会社(三井物産)の合弁会社であるIndependent Power Development社が所有している。

ADBの支援は、5,000万ドルの融資と最大8,500万ドルのBローンで構成されている。また、ADBは、国際協力機構(JICA)との協力により2016年に設立された、アジアインフラパートナーシップ信託基金(LEAP: Leading Asia’s Private Infrastructure Fund)を通じて4,500万ドルを動員する。さらにADBは、国際協力銀行(JBIC)及び12の国内外の民間金融機関との協調融資に係る契約に署名し、最大7億6,400万ドルの資金を仲介することで、同プロジェクトにおける主要なレンダーとしての役割を果たす。Bローンは、シンガポールのオーバーシー・チャイニーズ銀行とドイツのDZ銀行によって資金提供される。

東部経済回廊独立電力プロジェクトに係る契約は、バンコクでの式典において、クリストファー・ティームADB民間部門業務局次長とサラス・ラタナヴァディGED最高経営責任者(CEO)によって署名された。

ティーム氏は「同プロジェクトを通じて建設される発電所は、タイで4番目の規模を有し、最大級の複合サイクルガスタービンのひとつを備えるもので、これは、2028年までの経済成長を牽引する東部経済回廊(EEC)開発計画の中核として位置づけられる」とした上で、「産業や家庭まで電力を安定的に供給し、タイの経済成長と発展の促進を支援するこの事業において、ADBが主要な役割を果たすことを誇らしく感じる。また、資金調達ギャップの克服は、EEC開発計画の成功に向けた大きな課題のひとつであるため、Bローン・プログラムやLEAPの活用を通じて、この事業に我々がさらなる協調融資先を引き込むことができたことを光栄に思う」と述べた。

発電所は2024年までに本格稼働し、少なくとも1万6,000ギガワット時の電力をユーザーに供給する。発電所で使用される最先端の複合サイクルガスタービン技術により、既存の電力網と比較して、毎年100万トンの二酸化炭素排出量が削減される。タイの現在のエネルギー供給量の約20%に相当する8,500 MW以上の発電供給量は、2020年から2025年の間に廃止される予定の老朽化した発電所によるもので、この発電所建設は、タイのエネルギー安全保障の維持に不可欠である。

ガルフPDは、2,500 MWの発電所の開発、建設、所有、および運用のために2012年に設立された。GEDは、タイで最大の電力購入契約を管理する大手発電会社である。三井物産は、1947年に設立され、世界で74を超える電力プロジェクトの開発に携わっている日本の大手商社のひとつである。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBが2018年に新たに契約署名した融資およびグラントの総額は216億ドルにのぼる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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