フィリピン、マニラ(2020年12月15日)-アジア開発銀行は、水と保健衛生(WASH+H: Water and Sanitation, Hygiene + Health)のアプローチを拡大しADBの各種プロジェクトに取り入れ、特定の開発途上加盟国における新型コロナウイルスの感染予防と拡大防止策を支援するため、200万ドルの技術協力向け無償資金支援の実施を承認した。

この200万ドルの無償資金は、日本政府が拠出する貧困削減日本基金から提供される。技術協力は、特に保健医療や教育、社会的保護などの社会セクターおよび水や都市セクターにおけるADBのプロジェクトに資金を提供し、水供給や公衆衛生、廃水管理やごみ処理の分野に重点的に取り組む。

現時点で参加が確認されている技術協力の対象国は、バングラデシュ、モンゴル、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、ウズベキスタンである。

ADBの首席水資源専門官であるコーラル・フェルナンデズ・イジェスカス氏は、「新型コロナウィルスのパンデミックにより明らかになったように、安全に管理されたWASHサービスと衛生的な行動習慣は、感染症の発生から人々の健康を守るために必要不可欠である」とした上で、「よって、この技術協力では、新型コロナウィルス感染予防と拡大防止のためのWASH+H啓発活動の強化、エビデンスに基づく習慣、投資、衛生行動の変化と、さらにはプロジェクトの準備と実施における影響の緩和を支援する」と述べた。

世界では約30億人、後発開発途上国では人口の約4分の3の人々が、水と石鹸を使った基本的な家庭用手洗い設備を持っていない。世界的に見ると、全学校の半数近くで手洗い設備が不足し、9億人の学齢児童が影響を受けている。また、43%の医療施設では、患者の治療を行う際に手指の衛生が不十分な状況にある。なお、信頼性の高い水道設備を利用できる状況においても、手洗いに関する知識を学ぶだけでは行動の変化につながりにくいということが、調査結果から一貫して明らかになっている。

この技術協力は、効果的かつ持続可能なWASH+Hプログラムを通じて、特に貧困層や社会的弱者に焦点を当てた、感染の予防とその拡大の防止を推進するための追加的資金を提供する。このプログラムでは、さまざまなセクターや関係者に対して、啓蒙活動や知識の向上、能力の構築を支援するとともに、政策対話を推進し、戦略策定を後押しする。これらの取り組みには、人々の意識啓発を推進させ、対応能力を強化し、政策上の欠陥や課題を特定するとともに、それらに対処するための施策を提言する活動も含まれる。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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