マニラ、フィリピン(2020年2月7日)-アジア開発銀行(ADB)は本日、新型コロナウイルス(nCoV)の感染拡大を阻止する取り組みに対し、200万ドルの新たな資金援助支援を承認した。

同資金は、既に実施されている技術協力支援を補完するもので、カンボジア、中国、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムにおける対応能力を強化する。

この支援により、農村部を含め、ウイルスのアウトブレイクの調査・監視体制の改善に向けた提案が作られるとともに、保健システムの強靭性と感染症対策が強化される。さらに、アウトブレイク対抗措置として、迅速な検査実施のための診断装置や検査機器の調達を支援する。

浅川雅嗣ADB総裁は、「ADBには、緊急事態に対応して加盟国に迅速かつ的を絞った支援を提供してきた実績がある」とした上で、「我々は必要に応じてさらなる支援を行う準備ができている」と述べた。

ADBは、新型コロナウイルスの感染拡大に対して協調した対応とさらなる資金援助が必要とされる分野を特定すべく、世界保健機関(WHO)の職員や地域専門家と緊密に連携している。

さらに、追加的な技術支援を準備しているところであり、それにより感染症の監視や医療用品の提供、アウトブレイク対応策や地域協力など、他の開発途上加盟国における主要な経済および保健医療システムの改善を支援する。また必要に応じて、医薬品や医療機器の調達も支援する。そして、その他の取り組みとして、経済への影響や適切な対応策の策定について理解を深めるために、経済や保健医療システムについて評価・分析を行うことも視野に入れる。

ADBのエコノミストは、観光、消費、貿易やサプライチェーンなどの分野を通じた分析を含め、ウイルスの感染拡大が域内経済にもたらす影響について調査している。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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