エジプト、シャルム・エル・シェイク(2022年11月8日)—アジア開発銀行(ADB)は本日、気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)において、地球環境ファシリティ(GEF)および北欧開発基金(NDF)とともに、気候変動の影響により脅かされる国々の海洋および沿岸部の強靭性の構築を目指す、「ブルー・パシフィック・ファイナンスハブ(Blue Pacific Finance Hub)」へのグラント(無償)資金として1,650万ドルを拠出すると発表した。

GEFの後発開発途上国基金からの1,000万ドルおよびADBからの250万ドルの資金提供に加え、NDFからも400万ドルが拠出される見込みである。

NDFの拠出は、ADBとNDFが新たに共同で設立した、「海洋強靭化と沿岸適応(Ocean Resilience and Coastal Adaptation: ORCA)信託基金」を通じて行われる。同基金はアジア・太平洋地域のブルーエコノミーを支援するもので、ブルー・パシフィック・ファイナンスハブが窓口となっている。

ブルー・パシフィック・ファイナンスハブは、太平洋地域における強靭なブルーエコノミーの構築に向けた海洋投資に5億ドルの資金をレバレッジするための5,000万ドルのグラント資金の調達を目指す。

アーメド・M・サイード(Ahmed M. Saeed)ADB東アジア・東南アジア・太平洋地域担当副総裁は、「太平洋地域のADB開発途上加盟国にとって、海洋は生命線である」とした上で、「私たちは、パートナーの貢献に感謝するとともに、太平洋のブルーエコノミーを支援するために緊密に協力することを期待している」と述べた。

ティナ・ステギ(Tina Stege)マーシャル諸島気候変動特使は、この発表を歓迎し、「マーシャル諸島のアイデンティティと文化は、海と切り離せないものである。また、私たちの経済活動は、海や海洋資源と密接に結びついている。私たちの生活を脅かす気候変動の影響に適応する方法を見いだすとともに、海洋経済を発展、強化させる機会も探っていかなければならない。グラント資金と技術協力は、私たちの取り組みを後押しする鍵となる」と述べた。

ブルー・パシフィック・ファイナンスハブは、自然に基づく解決策(NbS)、海洋再生可能エネルギーや船舶の脱炭素化などの海洋ベースの緩和策、持続可能な水産物と海洋保護区、そして海洋汚染防止を含む、沿岸適応策に資金を提供することで、特に女性やコミュニティを支援する。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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