ADB、国内資金動員と国際税務協力を強化する税務ハブを立ち上げ

News Release | 2021年5月3日

フィリピン、マニラ(2021年5月3日) — アジア開発銀行(ADB)は本日、租税政策や税務行政に関してADBとその加盟国・地域、そして開発パートナー間の戦略的政策対話を促進し、ナレッジの共有を改善するとともに、協力を強化するためのオープンでインクルーシブなプラットフォームを形成することを目的としたアジア・太平洋税務ハブを立ち上げた。

このハブでは、ADBの開発途上加盟国における国内資金動員(DRM: domestic  resource  mobilization)と国際税務協力(ITC: international tax cooperation)を強化するため、域内外のリソースを最大限活用していく。

浅川雅嗣ADB総裁は、ADB第54回年次総会のセミナーの中で、「国内資金動員は、ADBの開発途上加盟国における現下の重要な戦略的優先課題となっており、債務の持続可能性に対処し、持続可能な開発目標(SDGs)を達成する上で欠かすことのできない取り組みである」とした上で、「汎地域的な税務に関するコミュニティが存在していなかったことは、アジア・太平洋地域固有の重要な欠陥であった。これに対処するため、本日、アジア・太平洋税務ハブの正式な立ち上げを発表したい」と述べた

税務ハブは、中期歳入戦略 (MTRS)の策定、税務行政の自動化ロードマップ、そして国際的な税務イニシアティブへの積極的参加という3つの主要な課題について開発途上加盟国を支援する。

税務ハブは、改革に必要とされる、域内における対話とナレッジの共有を促進することにより、これらの課題において重要な役割を果たすことを目指している。税務ハブを通じて、ADBは:

  • 国際通貨基金(IMF)と緊密に連携し、開発途上加盟国による各国固有の中期歳入戦略の策定を支援するとともに、税に関する協働プラットフォーム(PCT)との協力による地域ワークショップの実施や税務行政診断評価ツールを活用した取り組みを支援する。
  • 開発途上加盟国における税務行政自動化のロードマップを作成するためのニーズ評価を行い、開発パートナーやこの分野の先進国と協力してその実施を支援する。
  • 経済協力開発機構(OECD)との政策対話を促進し、税源浸食と利益移転(BEPS)および税の透明性と税務目的の情報交換に関するグローバルフォーラムへの開発途上加盟国による積極的な参加を促す。
  • そして、国内資金動員や国際税務基準の導入、各国歳入当局による技術への投資の強化を推進するため、政策支援型融資やプロジェクト融資、また技術協力などの金融手段を適用する。

ADBは事務局を設置し、ハブを稼働させるとともに、このハブへの積極的関与に意欲的な主要な開発パートナーや開発途上加盟国を集めた運営委員会を設置する予定である。ADBは、この税務ハブの事務局と密接に協力し、ハブの業務をリードする。

税務ハブは2021年第4四半期までに第1回のハイレベル会合を開催し、ハブ事務局や運営委員会の業務の詳細を含め、活動の進捗を報告するとともにハブの3つの主要課題について今後のステップを話し合う。

セミナーには浅川氏のほか、麻生太郎副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣(金融)、キャサリン・ベアIMF副財政局長、アイハン・コーゼ世界銀行グループ公正成長・金融・制度(EFI)担当副総裁代行兼見通し局長、パスカル・サンタマンOECD租税政策・税務行政センター局長が参加した。シンガポールのヒューイ・ミン・チャターン内国歳入庁副長官がパネルの司会を務めた。パネルにはまた、オーストラリア、韓国、フィリピンおよびタイの税務当局、そしてフィリピン財務省から代表者が参加した。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。