【ドイツ・フランクフルト、2016年5月4日】アジア開発銀行(ADB)は、本日発表されたADBのパフォーマンス・レビューの中で、2015年の業務目標の大半を達成し、ほとんどのプロジェクトは予算内で完了し、また、年間承認額は過去最高を記録したと述べた。

ADBのインドゥ・ブシャン戦略・政策局長は、「本報告書で示すとおり、ADBの業務は一貫して成果を出しており、アジア太平洋地域の何百万もの人々の為になっている」としたうえで、「ただし、ADBはこの成果に満足することはできない。開発途上加盟国のニーズによりよく応えるため、残りの課題を解決するとともに新たな課題に立ち向かうため改革を継続する」とした。

ADBの第9回年次パフォーマンス評価である「開発効果レビュー(DEfR)」2015年報告書は、ADBが17のパフォーマンス指標の内13指標で成果目標を達成し、レビュー期間ではソブリン・プロジェクトのおよそ80%が、当初予算内で実施されたことを示した。成果の中には、延べ1万キロの道路の建設および改良、ならびに400メガワットの発電施設(うち半数が再生可能エネルギーによる施設)の設置が含まれた。水、衛生および灌漑プロジェクトも何百万もの世帯に恩恵をもたらし、改良された学校施設はおよそ700万人の生徒に利用されている。

ADBによるジェンダーの主流化支援の強化努力により、完了したソブリン業務でジェンダー目標の70%が、2013年から2015年の期間で初めて達成されるという成果を得た。また、ADBは開発途上加盟国による過去最多の20もの官民パートナーシップ・プロジェクトの推進を支援した。

新たな業務に対する資金提供承認額も、2015年は163億ドルと過去最高を記録し、2014年比では20%増となる一方で、実行額および協調融資額も、2015年は過去最高を記録した。さらにADBは、ソブリン業務およびノンソブリン業務の双方について事務手続時間を短縮し、融資等の実行100万ドル当たりの内部管理費を10%超削減した。

しかし、パフォーマンス面の懸念は依然として多く残っており、業務における全体的な成功率は72%と、依然として目標水準である80%を下回っている。事業効率も実施遅延に伴い低下しており、平均遅延期間はおよそ2年で、ソブリン・プロジェクトの90%が影響を受けている。ソブリン・プロジェクトにおける実行率が低下しているが、これはとりわけプロジェクト準備が整っていないこと、および調達のスピードが遅いことが影響している。組織の実効性では、国際スタッフにおける女性の割合は2014年の34.5%から2015年には33.8%に低下し、2015年には組織に対するスタッフの全般的な意識レベルも低下した。

こういった障害に取り組むために、ADBは2014年以降、Strategy 2020の中間見直し行動計画を実施している。この計画には、調達のスピードを早めるための10項目の調達アクションや、小規模ノンソブリン取引の承認のスピードアップが含まれる。2015年12月には、ADBはプロジェクトの準備度を高め、立ち上げおよび完了の遅延をなくし、効率性と全体的な成功率を高めるための新たな改革案を承認した。これらの改革には、貸付承認前に署名された契約に対する事前契約および遡及融資の促進が含まれる。またADBは、レビュー要件を簡素化し、ソブリン・プロジェクトの実行を迅速に行えるようにすると共に、協調融資をさらに拡大する手段を講じている。さらに、国際スタッフにおける女性の比率を高め、スタッフの意識を向上させ、人材の最適化を図る努力を続けている。

今後についてADBは、長期的戦略枠組みであるStrategy 2020の中間見直しに沿って、引き続き業務プロセスの合理化を図り、業務部門や駐在員事務所への意思決定権限の分散を図り、より良い成果をより早く開発途上国メンバーに届けられるよう支援していく。

DEfRを補完する目的から、「Together We Deliver」2015年版報告書も最近発表された。「Together We Deliver」では、ADBの支援事業の恩恵を受けた個人、家族そしてコミュニティが人生を変えていくストーリーが紹介されている。またこの報告書では、開発途上加盟国、開発パートナー、市民社会そして民間セクターと共に活動することでADBが得た教訓や経験の一部を説明している。

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