マニラ、フィリピン(2020年3月12日)-アジア開発銀行(ADB)は、新型コロナウイルス(COVID-19)対策に必要な医薬品等を製造・流通する企業を対象に、ADBのサプライチェーン金融プログラムを通じて、新たに2億ドルの支援を提供する。
新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、医薬品や個人用防護具などの製造や流通を強化する必要性が生じており、関連する企業への負担はますます増加している。ADBは金融機関とのパートナーシップを通じて、こうした要請に対応するためにアジア・太平洋地域の企業が必要とする追加的な運転資金を提供する。
ADBの貿易・サプライチェーン金融部門の責任者であるスティーブン・ベック氏は、「この支援は、新型コロナウイルス対策に重要な役割を担うサプライチェーンを構成する企業を対象としている」とした上で、「我々は、生産の拡大を図り、それゆえサプライヤーの確保を必要とする企業を支援していく」と述べた。
サプライチェーン金融の一つのプールは、基本的に120日から180日までの期間における商品取引に使われることから、この2億ドルのファシリティは、今後12か月間にわたり4億ドル以上の資金手当てを支援することが可能である。パートナーとなる金融機関が50%のリスクを取ることにより、同期間におけるこのファシリティの下での支援は8億ドルに達する可能性がある。
この資金は、ADBのサプライチェーン金融プログラムを通じて利用可能となるもので、選定された企業に対して数週間のうちに提供される。ADBは新型コロナウイルス感染拡大の貿易金融に対する影響を注視しており、顧客である銀行との日々のやり取りを通じてさらなる支援の必要性について判断していく。
ADBは2月7日に、中国やメコン川流域圏諸国における新型コロナウイルス感染の検出、防止、対応を促進するための2百万ドルの支援を発表した他、2月26日には、すべてのADBの開発途上加盟国を対象とする2百万ドルの追加支援を発表した。またさらに2月25日には、必要とされる医薬品や個人用防護具の継続的な供給を支援するために、中国・武漢市に本社を置く医薬・医療品の卸売業者、ジョインタウン・ファーマスーティカル・グループに対する1億3千万人民元(1,860万ドル)の民間部門融資に契約調印している。
ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。
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