フィリピン・マニラ(2021年10月13日) - アジア開発銀行(ADB)は本日、開発途上加盟国を支援するための、2019年から2030年までの気候変動ファイナンスについて、その目標を1,000億ドルに引き上げると発表した。

浅川雅嗣ADB総裁は、「気候変動との戦いは、アジア・太平洋地域で勝敗が決まる」とした上で、「気候変動の危機的な状況が日々悪化している中、多くの人が気候変動ファイナンスの増加を求めている。私たちはこの要請に応えるために行動を起こし、2030年までの間に、気候変動ファイナンスについて累計1,000億ドルに目標を引き上げることとした」と述べた。

2018年にADBは、2030年までに業務案件の75%以上を気候変動対策を支援する取り組みに充てるとともに、累計800億ドル以上の資金をADBの独自財源から提供することにコミットした。本日の発表は、この資金に関する野心的な目標を引き上げるものである。

2019から2021年までの間における、ADBの独自財源からの気候変動関連業務への累積投資額は、約170億ドルに達することが見込まれる。

気候変動ファイナンスの拡大された野心的目標は、開発途上加盟国を支援するADBの取り組みの重要な要素となる。新型コロナウイルスのパンデミックと気候危機という相互に関連した課題に直面しながら、多くの開発途上加盟国は、環境に優しく、強靱かつインクルーシブな復興を促進するために、大胆な取り組みを行っている。

200億ドルの増額分は、5つの主な分野で気候変動の課題に対して支援を提供する。

  • 第1に、エネルギー貯蔵やエネルギー効率、低炭素型の交通運輸などの気候変動緩和のための新たな道筋である。ADBは、気候変動緩和のために累計で660億ドルに達する資金提供を見込んでいる。

  • 第2に、変革的な適応プロジェクトのスケールアップである。都市や農業、水などの気候変動の影響を受けやすいセクターに係るプロジェクトについて、効果的な気候変動への適応と強靭性の強化を主目的の一つとして設計する。ADBは、気候変動適応のために累計で340億ドルに達する資金提供を見込んでいる。

  • 第3に、ADBの民間セクター業務における気候変動対策資金の増加である。これには、ADBと民間投資家の双方にとって、より商業的に採算の合うプロジェクトの形成が含まれる。この資金の拡大は、業務の効率性改善やパンデミック後の市場の資金需要の回復、気候変動ファイナンスにおける新技術やイノベーション、民間セクターの気候変動関連業務に関する新たな事業分野によって支えられる。これらの取り組みを支援するために、ADBは独自財源から累計120億ドルの民間セクター向けの気候変動対策資金を充てる他、180億ドルから300億ドルの追加資金を集める予定である。

  • 第4に、コロナ禍からの環境に優しく、強靱かつインクルーシブな復興を支援する。これには、低炭素型インフラ構築のために資本市場や民間投資家からの資金を活用することが期待される、アセアン・カタリテック・グリーンファイナンス・ファシリティ(ASEAN Catalytic Green Finance Facility)およびグリーンリカバリー・プラットフォーム(Green Recovery Platform)などの革新的な資金提供プラットフォームを通じた支援などが含まれる。

  • 第5に、気候変動に対する強靭性の向上や気候変動の緩和を目的とする政策や制度を支援する政策支援型融資を通じて、開発途上加盟国が行動を起こすための改革を進めるための支援である。

ADBは、これらの分野において、引き続き気候変動に焦点を当てた新しい技術の利用を拡大し、気候変動ファイナンスに民間資本を動員していく。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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