フィリピン、マニラ(2023年1月27日)— 英国の非営利組織「Publish What You Fund」が新たに発表した開発金融機関(DFI)透明性指標(DFI Transparency Index)において、アジア開発銀行(ADB)は、公共セクターを支援するソブリン業務について最も透明性の高い開発金融機関となり、民間セクター業務については3位にランク付けされた。
ADBの木村知之戦略政策・パートナーシップ局長は、「透明性とアカウンタビリティの確保は、アジア・太平洋地域の開発途上加盟国が直面する最も差し迫った開発課題への取り組みを支援するというADBの使命の中核をなすものである」とした上で、「透明性確保に対するこうしたコミットメントが認められたことを誇りに思うとともに、同地域においていかにより効果的かつ効率的な支援を提供していくことができるかを考える上で、この報告書を綿密に検討していく」と述べた。
ADBの開発途上加盟国の公共セクターを支援するソブリン業務は、透明性において9つの開発金融機関中第1位を獲得した。開発効果が高い民間セクター投資を支援するノンソブリン業務は、21の開発金融機関のうち3位にランク付けされている。
この指標は、30の主要な開発金融機関の透明性に関する独立した評価を提供することを目的としている。開発金融機関は、組織が掲げる政策や投資などの中核となる情報、そして環境、社会、ガバナンス、コミュニティへの説明責任などの5つのカテゴリーで、47の指標に基づき評価された。Publish What You Fundは、援助の透明性を評価する援助透明性指標(ATI)も公開している。
開発金融機関の透明性指標の提言には、開発金融機関が支援の効果に関する情報をより多く提供すること、プロジェクトによって影響を受ける人々への情報開示の保証に関する透明性を向上すること、また透明性向上のための取り組みに十分な内部資源を確保することなどが含まれる。
ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。