フィリピン・マニラ(2020年6月24日)- アジア開発銀行(ADB)は、ブルッキングス研究所(米国、ワシントンD.C.)が本日発表した、援助の透明性を評価する独立した指標である「2020年援助透明性指標(ATI)」において前回と同様に第1位となった。

英国の非営利組織「Publish What You Fund」によって提唱されたこの指標において、ADBの公的開発資金を扱うソブリン向けポートフォリオは、最高スコアの98点を獲得し、ATIの透明性のカテゴリーで「とても優れている(very good)」にランク付けされている。

浅川雅嗣ADB総裁は、「国際機関の透明性および開放性の向上を促進する上で重要な役割を果たすこの指標で、ADBが第1位となったことをたいへん誇りに思う」とした上で、「ADBは、援助の質と対象範囲に関するデータの公開に継続的に取り組んできた。今回、最上位となったことは、組織全体にわたって援助の透明性に関する基準の遵守に努めてきた、スタッフの献身的な取り組みが反映されたものである」と述べた。

2011年にATIが試験的に実施されて以来、ADBが第1位を獲得したのは今回が2回目となる。この2020年の指標は、援助の透明性の進捗をモニターし、一層の向上を図ることを目的として作成された、第7回目となる包括的な指標報告である。2019年12月から2020年4月の間にデータは収集され、35の指標に焦点を当てると共に、「財務と予算」「開発データの結合」「組織計画とコミットメント」「プロジェクトの属性とパフォーマンス」の5つの要素にグループ分けされた。指標では、ドナーを総合評価(100点満点中)に基づき、5つのカテゴリーに分類している。

今年ランク付けされた47の機関のうち、ADBの他に10の機関が少なくとも80%のスコアを獲得し、「とても優れている(very good)」機関に位置づけられた。それらの機関は、世界銀行(国際開発協会)、国連開発計画、アフリカ開発銀行(ソブリン向けポートフォリオ)、米州開発銀行、国連児童基金、米国ミレニアム挑戦公社、グロ-バルファンド、英国国際開発省、カナダ・グローバル連携省、GAVIアライアンスである。

2020年の援助透明性指標では、世界の主要な援助機関の透明性が全般的に改善されていることが明らかとなった。発行者によれば、ドナー機関は、国際援助透明性イニシアティブ(IATI)の基準で、より多くのより質の高いデータを公開するようになっている。「とても劣っている(very poor)」と評価された機関を除くすべてのドナー機関は、その援助活動や政策についてIATIに対応したデータを公表しており、それはそうした情報がオープンかつタイムリーで、比較可能なものであり、一元化されていることを意味し、また援助の透明性に関する国際基準を満たすものであることを示している。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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