ラオス、ビエンチャン(2023年3月1日)― アジア開発銀行(ADB)とモンスーン・ウインド・パワー・カンパニー・リミテッド(モンスーン)は、隣国ベトナムへの電力の輸出、販売を目的として、ラオス南部のセコン県とアッタプー県に600メガワットの風力発電所を建設するために必要な6億9,255万ドルのノンリコースのプロジェクト・ファイナンス・パッケージに署名した。133基の風車が設置されるこのプロジェクトは、東南アジア最大で、かつラオス初の風力発電所建設プロジェクトとなる。

この融資は、ADBが単独の主幹事およびブックランナーとして融資パッケージ全体のアレンジや組成、シンジケーションを行ったもので、ASEAN諸国において過去最大の再生可能エネルギー事業向けシンジケート・ローンとなる。パッケージの内訳は、ADBの通常資本財源からのAローン1億ドル、シンジケートBローン1億5,000万ドル、譲許的融資5,000万ドル、パラレルローン3億8,255万ドル、並びに無償資金(グラント)1,000万ドルで構成される。譲許性を有するブレンデッドファイナンスの先進的な活用は、商業資本を集める上での、プロジェクトのバンカビリティ(投融資適格性)に係る課題を解決する上で重要な役割を果たした。

スザンヌ・ガブリADB民間部門業務局長は、「アジア・太平洋地域における開発途上国経済は、グリーンな成長への道筋をつけるために必要とされる、気候変動対策のための投資の不足に直面している。本プロジェクトは、開発金融と商業金融の融合により、風力資源を電力へと変換するために必要な民間資本を動員することで、こうした資金ギャップを埋め、域内の経済的および社会的発展を促すことができる」とした上で、「ADBとそのファイナンス・パートナーからの融資は、ラオスにおける未開発の風力資源の利用を推進し、同国の経済に永続的な利益をもたらすクリーンエネルギーとグリーン成長への移行の礎を提供する」と述べた。

国境を越えた電力供給はラオスの経済成長を促す柱の1つとなっている。風力資源の季節性は、水力発電を支える雨季と逆の周期であるため、未開発の風力資源を利用することで同国の電力の多様化を図ることが可能になる。このプロジェクトにより、年間の温室効果ガス排出量は二酸化炭素換算で少なくとも748,867トン削減される。

Bローンの内訳は、サイアム商業銀行から1億ドル、三井住友銀行から5,000万ドル、またADBが管理するアジアインフラパートナーシップ信託基金(LEAP)から2,000万ドル、アジア民間セクターのためのカナダ気候基金(CFPSおよびCFPS II)から3,000万ドルとなっている。並行して提供されるパラレル融資には、国際協力機構(JICA)からの1億2,000万ドル、カシコン銀行からの1億ドル、アジアインフラ投資銀行からの7,255万ドル、タイ輸出入銀行からの6,000万ドル、香港按掲証券有限公司(Hong Kong Mortgage Corporation Limited)からの3,000万ドルが含まれる。ADBのアジア開発基金(ADF)民間セクター・ウィンドウ(ADB-PSW)からの1,000万ドルのグラントは、貸し手にとって重要なバンカビリティの問題である潜在的な削減リスクなど、主要なプロジェクトリスクの軽減に貢献する。

本プロジェクトのディべロッパーであるインパクト・エレクトロンズ・サイアム・カンパニー・リミテッドのペック・カムカニスト(Peck Khamkanist)CEOは、「我々は、わが社が活動する地域のコミュニティのウェルビーイングと幸福を高めるという企業ミッションの実現と併せ、ADBと協働し、世界的な気候変動との闘いにおける画期的な一歩を踏み出す」とした上で、「我々は、商業機関だけでなく開発機関を含む複数の資金提供者を集めるなど、この資金調達の触媒的役割を果たしたADBのリーダーシップに感謝したい」と述べた。

LEAPは、国際協力機構(JICA)からの15億ドルの出資を受け、2016年に設立された。ADBの開発途上加盟国における質の高い、持続可能な民間セクターのインフラ事業の実施を支援しており、支援対象分野は二酸化炭素の排出削減、省エネルギー、誰にでも手の届く医療や教育、情報通信サービスの提供など多岐にわたる。

CFPSとCFPS IIは、アジア太平洋地域の低所得国および低位中所得国、そして高位中所得の小島嶼開発途上国(SIDS)における気候変動の緩和と適応への民間セクターの参加拡大を支援することを目的とした、ADBが管理する譲許的資金である。この基金はまた、ジェンダー平等と女性と少女のエンパワーメントを促進することを目指している。

ADB-PSWは、2020年にADFドナー国・地域によって承認されたファシリティであり、多くの民間セクター取引を妨げる共通の資金調達上の制約に対処し、これを軽減する金融商品・手段に無償資金を提供することで、フロンティア市場における民間セクター開発を支援するものである。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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