フィリピン・マニラ(2020年8月3日) - アジア開発銀行(ADB)は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響に対応するADBの開発途上加盟国(DMCs)および民間セクターを支援するための初期対応を開始した2月初旬以降の6カ月間で、93億ドルの資金支援に契約合意した。さらに、開発パートナーが契約合意した協調融資は46億ドルとなっている。

ADBによるこれらの支援は、4月13日に発表された新型コロナウイルス対応のための200億ドルの支援パッケージの一環である。

浅川雅嗣ADB総裁は、「新型コロナウイルスのパンデミックは、開発途上国全体に深刻な影響を与え、前例のない形で世界経済を揺るがしている」とした上で、「私たちは、パンデミックと戦うために可能な限りの資源を投入するとともに、積極的な資金の流れを提供し、地域の一日も早い回復を支援するために迅速かつ大規模な対応を行ってきた」と述べた。

7月31日現在、ADBが契約合意した93億ドルのうち、約78億ドルは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響に直接対処する政府の取り組みを支援している。これらの資金のほとんどは、ADBの景気循環対策支援ファシリティの下に設置された、新型コロナウイルスのパンデミックへ対応するための新たなオプション(CPRO)を通じて提供されており、総額69億ドルに達している。7月31日現在、16カ国がCPROを利用しており、CPROは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を緩和するための開発途上国による景気対策支出プログラムを支援するために設立されたもので、特に失業者のためのセーフティネットの強化、貧困層や脆弱な人々、特に女性と子どもの支援に焦点を当てている。

民間企業による新型コロナウイルスの対応を支援するために約5,860万ドルが供与されており、3月には中国、武漢市の医薬品卸売業者への直接融資が行われた。さらに、ADBは貿易金融、サプライチェーン・ファイナンス、マイクロファイナンスの各プログラムのために13億ドルをコミットした。

2月の新型コロナウイルス感染拡大の初期段階以降、ADBは、新型コロナウイルス危機に対処する上で最も緊急のニーズに対応するために、41の開発途上国に対して8,660万ドルの技術協力を提供した。そうした支援は、マスク、手袋、ガウンなどの個人用防護具(PPE)や人工呼吸器や吸入器などの診断および医療機器の調達、そして最前線の医療従事者に対する研修の提供や病院および研究所の強化に役立っている。

こうした技術協力は、アジア太平洋災害対応基金(APDRF)からの迅速に提供される無償資金によって補完され、医療用機器や備品などの現下の人道的支援や保健医療に係る緊急の支出に充てられた。 7月31日の時点で、APDRFから22の加盟国に対し、総額3,780万ドルの無償資金が提供されている。

資金を迅速に提供するために、ADBは業務手続きを調整し、さまざまな支援手段の適格性と対象範囲を拡大した。

ADBは、新型コロナウイルス対応のためのあらゆる活動において、国際通貨基金、世界銀行、アジアインフラ投資銀行、二国間機関、国連システムなどのパートナーと緊密に調整している。 ADBは、その支援が最新の情報に基づき、かつ開発途上加盟国のニーズに見合うものであるよう、世界保健機関からの技術的および政策的助言を取り入れると共に、個人用防護具や診断用器具、医療機器を効率的に調達できるようにユニセフと協力してきた。

またADBは、その広範な調査研究に基づいて、パンデミックの経済的影響に関する最新の評価を提供するとともに、多くの差し迫った開発課題に取り組むための政策アドバイスやその他のリソースを提供している。

浅川総裁は、「開発途上加盟国がこの危機を克服するために、私たちは引き続きタイムリーで効果的な支援活動に努めるとともに、より良い形で回復を実現し、以前よりもより力強い成長を遂げることができるように、政策対応において先を見据えていきたい」と述べた。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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