フィリピン、マニラ (2019年9月17日) - 本日、アジア開発銀行(ADB)の中尾武彦総裁は、2020年1月16日をもって総裁職を辞任する意図を表明した。中尾総裁は2013年4月28日に就任した。新総裁の選挙は、オープンで、透明で、実力本位の手続きによって進められる。
スタッフ及び理事会メンバーに対する声明の中で、中尾総裁は「私は辞任の意図を、達成感と感謝の気持ちを持って表明することができます。スタッフ、理事会メンバー、そしてメンバー国のサポートにより、私たちは多くのことを成し遂げることができました。」と述べた。
ADBで心に残る仕事として中尾総裁が挙げたのは、1)業務の拡大(より高度な技術を取り込みつつ新規の貸付・グラント供与を2013年の140億ドルから2019年の220億ドルに増大)、2)一般資本勘定(OCR)にアジア開発基金(ADF)の譲許的融資を統合することにより、資本の拡大と譲許的貸付へのレバレッジの活用を可能とし、業務の拡大をサポート、3)戦略2030の策定、4)ADBの50年史を含む、多くのナレッジ業務、5)多くの加盟国への訪問、6)開発パートナーとの協力、7)ADBをより強く、よりよく、より迅速にするための機構等の改革、8)積極的な人材活用政策、9)スタッフ年金の財務持続性を図るために行った新規職員に確定拠出プランを導入する年金改革、である。
中尾総裁は、ADBは変わり続ける途上国のニーズに応えるために、そして「繁栄し、包摂的で、強靭で、持続可能性のあるアジア太平洋地域」を目指すというADBのミッションを追求し続けるために、ADB自体が常に革新を続けると述べた。また、ADBは、各国間の協力と友好を促進するための重要な機関であり続けなければならないことを強調し、「私自身、ADBでの最後の日まで、職務を全うするために最大限の努力を続ける所存です。」と締め括った。