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アジアの成長は堅調 - 貿易摩擦の影響は限定的

ニュースリリース | 2018年7月19日

フィリピン・マニラ (2018年7月19日) アジア開発銀行(ADB)は、アジア・太平洋地域の開発途上国の2018年と2019年の経済成長は、アメリカとその貿易相手国との緊張が増しているにも関わらず、地域全体として堅調な伸びが期待されると発表した。

ADBは、今年4月発表の 「アジア経済見通し2018 (Asian Development Outlook 2018)」を補足する報告書の中で、2018年と2019年のアジア・太平洋地域の経済見通しついて、それぞれ、6.0%と5.9%、また、新興工業国を除くと、それぞれ6.5%と6.4%と、当初の見通しと変わりないとした。

ADBの澤田康幸チーフエコノミストは、「貿易摩擦の悪化はこの地域にとって懸念される問題ではあるが、今のところ、2018年に導入された保護主義的な貿易政策が大きな妨げにはなっておらず、アジアの途上国の貿易は好調さを保っている。 慎重なマクロ経済運営ならびに財政政策の採用により、この地域の経済は外的な要因に対処することができ、安定した成長を確保することができる」と述べた。

東アジアでは、香港、中国、台湾で回復が見られたが、見通しは変わらず、2018年が6.0%、2019年が5.8%である。世界第二の経済大国である中国も、当初見通しを達成するとみられ、2018年は6.6%、2019年は6.4%の成長が見込まれる。これは、国内消費を回復させようという政府の政策が期待通りの成果を挙げている結果である。

南アジアでは、現在のところ2018年のインドの堅調な経済にけん引され、引き続きアジアで最も高い成長が見込まれる。インドは、投資促進政策として、銀行制度の強化や税制改革を行ったことで、2018年度は7.3%の成長を確保、2019年度には7.6%と更なる成長が期待されている。 パキスタンとバングラデシュでは、昨年、農業セクターで記録的な改善が見られたことから、予測を超え、経済成長が後押しされた。

東南アジアでも2018年と2019年の経済成長見通しは変わらず、共に5.2%であるが、これは、国内需要の伸びが引き続き地域の経済を後押しすることによる。また、インドネシア、フィリピン、タイでは、公共投資の拡大により第一四半期の経済成長が加速し、ベトナムでは民間投資が堅調であった。

2018年と2019年の経済見通しが上昇方向に修正されたのは中央アジアで、それぞれ4.0%から4.2%へ、4.2%から4.3%の成長が見込まれている。この地域の国の多くは、世界的な商品価格の上昇と、それによるロシアの経済回復により成長が後押しされた。中央アジア最大の経済国であるカザフスタンでは、2018年第一四半期に4.1%の経済成長を達成したが、これは3.6%であった2017年の同時期を上回った。これは鉱物資源採掘への投資の増加や政府主導の産業振興政策実施を含め、予測よりも産業が力強い回復を見せたことによるものである。

一方、太平洋地域では、最大の経済国パプアニューギニアで2月に起きた地震による影響により、液化ガスや他の輸出産物の生産と輸出が伸び悩み、地域としての成長は、2018年2.2%、2019年3.0%と予測される。

ADBによると、アジアの開発途上国におけるインフレ率は低く、2018年が2.8%、2019年が2.7%と予測している。 中央銀行による急激な通貨下落防止策や、商品価格上昇による影響を抑えるための食糧・燃料助成金の再導入など、国内要因によってインフレの上昇が抑えられた。