フィリピン・マニラ(9月16日)-2021年から2024年までの4年間をカバーする、アジア開発銀行(ADB)のアジア開発基金(ADF)13および技術支援特別基金(TASF)7に対して、拠出国は40億ドルを超える財源補充に合意した。2017年から2020年までを対象とした前回の補充と比較して7%の増加となる。40億ドルを超える財源は、ADF 13に約35億ドル、TASF 7に約5億ドルそれぞれ配分される。

今回の財源補充総額のうち、58%に相当する 23億ドル超が、新たにドナー国となる2か国、アゼルバイジャンとフィリピンを含む30のドナー国からの拠出によって補充される。また、42%に相当する残りの17億ドルが、ADBの通常資本財源(OCR)からの純益移転およびADFの流動資産投資益など内部の財源によって提供される。今後、3カ国により追加の拠出表明がなされれば、上記の財源補充額はさらに増加する見込みである

ADFはADB最大の特別基金であり、ADBに加盟する最貧国や最脆弱国でのグラント業務に資金を提供している。同基金は4年ごとに財源補充される。

浅川雅嗣ADB総裁は、「新型コロナウイルスのパンデミックにより、自国の保健医療や経済が困難な状況にある中、各拠出国からADF 13 とTASF 7に対して支援をいただけることに大変感謝している」とし、「ADBの支援は、新型コロナウイルスの危機に対応し、アジア・太平洋地域の最貧国や最脆弱国がインクルーシブで持続可能な復興に取り組む上で極めて重要である」と述べた。

新型コロナウイルスのパンデミックは、アジア・太平洋地域において、人命、健康、雇用、成長、経済発展の面で壊滅的な損害をもたらした。特に、脆弱・紛争影響国(FCAS)や小島嶼開発途上国(SIDS)を含む低所得国では、貧困削減の成果が脅かされ、不平等が拡大し、持続可能な開発目標(SDGs)に向けて進展が後退する恐れがある。 

これらの国々が危機に対処し、持続可能でインクルーシブな力強い復興を実現できるように、ADFのグラントとADBの譲許的融資を組み合わせることで、2021年から2024年の期間に最貧国・最脆弱国に160億ドル超の支援が提供される。

ADF 13は、対象とする全期間を通じてADBの長期業務戦略である「ストラテジー2030」の実施を支援するADF初のラウンドとなり、アフガニスタンなどの脆弱・紛争影響国(FCAS)や小島嶼開発途上国(SIDS)の大部分を含むADF適格国の重要な取り組みに資金を提供する。また、ADFは初めてテーマ別の支援枠を設け、地域協力・統合、地域の健康安全保障、防災、気候変動への適応などの地域公共財、そしてSDGsの目標5 ジェンダー変革のアジェンダを強く支援する野心的なプロジェクトの推進を各国政府に奨励する。

ADF 13のその他の重点分野としては、G20の原則に沿った質の高いインフラ、強固なガバナンス、民間セクター業務の発展などがあり、また同じく重点分野である、国際開発協会(IDA)および国際通貨基金(IMF)との緊密な連携による持続可能な開発資金政策の実施を通じた債務の持続可能性については、債務の透明性の改善も期待される。 新型コロナウイルスのパンデミックと闘う中、これら全ての分野で重要性が増している。

TASF 7は引き続き、能力開発、政策助言、 知識の生産を支援するとともに、ADFや譲許的融資の対象国における債務の持続可能性の強化をいかに支援していくかにさらに重点を置く。  

財源補充に関する会合はADB第53回年次総会の第2ステージの前夜に開催された。新型コロナウイルスのパンデミックのため、今年の総会は2日間の日程で、バーチャルな簡略化された形式で開催されている。9月16日には、太平洋地域開発途上加盟国の総務による会合、アジアにおける新型コロナウイルスの経済的影響に関するADB研究所のウェビナー、南アジア地域協力連合(SAARC)加盟国の財務大臣による第15回非公式会合などが開催された。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。 

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